コンパクトに広々暮らすって?
歴史の長い、古くから建っているお家に増築をして住まわれていたオーナーは日頃から動線の長さ、効率の悪さを感じていました。そんなオーナーの希望は暖かく、暮らしやすい空間でした。そのご希望を聞いた私達は数パターンのプランを作り、動線を考えた中から、平屋のプランをご提案しました。
しかしながら、平屋は上下の移動がなく生活はしやすい反面、縦方向に広がりを感じづらく圧迫感を感じる面も持ち併せています。そこで、建物をいたずらに大きくするのではなく、平屋がどうすれば立体的に広さを感じてもらえるかを考え、リビングを高い斜め天井にすることで、吹き抜けの様な開放感を得られるように設計しました。
その他に、家の面積が大きくなりすぎないようにするために、リビングに隣接している和室の一つを、リビングの一部としても使えるようにし、効率よく開放感のあるリビングにすることができるようにしています。 また、南面に広がるウッドデッキは、寝室とリビングから出られるようになっており床面と高さを揃えることで視線が延び、リビングや寝室が実際以上に広く見えるようなり、天気の良い日は実際にオープンリビングとしてお子さんの遊び場や、日向ぼっこができるスペースになっています。
広さだけに頼るのではなく、見た目だけでもなく、実際に身体も心も広々と暮らすためにはどうすればいいのかという、これからの家に必要なことが実現できた一つの形ではないでしょうか。
「家」が人に優しくなれるコト
オーナーとお話を重ねる中で、会話の中に一番出てきた言葉は「寒い」という単語でした。そこで、「暖かさ」に対する検討にも取り組み、出した答えは「スーパーウォール工法」でした。スーパーウォール工法はパネルを使った高気密・高断熱の工法です。木造軸組とパネルを組み合わせることで、断熱・気密・耐震性が同時に確保できるコストパフォーマンスも高い工法です。今までスーパーウォール工法を採用させて頂いたオーナーの方々からとても快適だと聞いていたので、今回も自信を持ってご提案しています。
他にも、リビングの床にはコルクタイルを採用しています。コルクタイルはフローリングと異なり、冬の寒い日にも冷たさを感じることが少なく、また適度な柔らかさがあるので、万が一の転倒事故の時も身体へのダメージを減らすことができます。また、リビングの高い位置には電動で開閉できる窓を設け、南北に風が通り抜けるように配慮しました。高気密・高断熱の性能だけに頼るのではなく、状況に応じて自然の力を利用させてもらい、過ごしやすい空間になるように配慮しています。
「家は」これから長い時間を共に過ごします。だからこそ、工法・素材・間取り・設備も含めて様々な角度から住む人に優しい家になるように配慮しています。
各部の説明
スペック
- 工法
- スーパーウォール工法
- 基礎
- 鉄筋コンクリートベタ基礎
- 構造材
- 米松KD材、米松集成材
- 断熱材
- スーパーウォールパネル(発泡ポリウレタン 60・89mm)
ポリスチレンフォーム(基礎断熱) - 屋根材
- ガルバリウム鋼板横葺き
- 外装材
- 窯業系サイディング
- 開口部
- トステム複合断熱サッシ+Low-E複層ガラス
- 内装材
- コルクタイル(床)・コルクボード(天井)・ペット対応クロス
- その他
- オール電化・一部オリジナル造り付け家具