筑北木材建設が設計段階から家具屋とのコラボワークで建てた家
「コラボレーションハウス」
入居後約半年が経過したオーナー様に新居での生活の様子を伺いました。


聞き手
筑北木材建設株式会社 社長 坂井 平治
リビング
坂井
昨年8月にご入居されて、約半年経ちました。
夏の暑さと冬の寒さを経験されたわけですが、住み心地はいかがですか?
オーナー様
冬は、家全体が自然な温かさに保たれているので、大変過ごしやすいです。
坂井
そうですね。Sさんのお宅はパッシブソーラーシステムという工法で建てましたが、屋根全体で太陽熱を集めて家全体を暖めるというものなんです。床下にある基礎の部分が暖められているので、
室内どこにいっても一定の温かさがあるんですよね。
オーナー様
トイレとかお風呂に行った時の「ドキッ」とする寒さがないのがいいですね。
坂井
はい。それはヒートショックといってご高齢の方には
とても危険なんですよ。
ペレットストーブも設置されましたので、Sさんが希望された自然な空間を実現できましたね。夏の暑さはどうでしたか?
オーナー様
昨年の夏は、厳しい暑さだったので大変でしたね。この家にはエアコンをつけない予定だったんですけど、 ちょっとエアコンの設置を考えてしまいました。
坂井
夏は、屋根からの熱が入りにくい工夫がしてありますし、夜になって空気が冷えるとその冷気を取り込むようになっているんです。
家の造りも風が通りやすくなっていますので、通常の長野県の夏であれば、快適に過ごせると思います。昨年のような猛暑の場合は、外の空気も異常に高くなったので、このシステムだけでいつも快適とはいかなかったと思います。一時的にはエアコンの力も必要かもしれませんね。
Sさんの希望された空間を広くとった間取りの場合は、まさにこのパッシブソーラーシステムにぴったり合ったということでしょうか。
和室
扉は全て引き戸に

棚
棚は手を着き易い高さに
オーナー様
今後、高齢の母が同居する予定なんです。 そうなると、車いすでの生活も想定して扉とかスペースを広く取りたかったんですよ。
坂井
床は全てフラットにして、扉はすべて引き戸にしていましたので、車いすでも生活しやすいんじゃないかな。私たち健康な人間は普段感じないんですけど、ちょっとした段差や取っ手の高さが少し高いだけで不自由さを感じられますからね。
オーナー様
チェストなどの家具もさりげなく手を置きやすい高さにしていただいてますよね。
坂井
はい。デザイン性と機能性を考えて、全室に手すりをつけるより、家具を代用するという選択肢を選びました。

Sさんは、家具にこだわりをもってらっしゃったんですが、実際に住んでみて使い心地はいかがですか?
オーナー様
そうですね、収納などの大きな家具は、購入しても良かったのですが、どうしても家との相性が悪かったり、 機能性だけを取ると家とのバランスが悪くなったり・・・と悩んでいました。
そこで、筑北木材さんから家具屋さんを紹介して頂いた訳ですが、私たちの生活に合わせて、設計して頂けたので、とても満足しています。
キッチン
坂井
ありがとうございます。
家を建てる上で、大きな家具や住器の扱いってとても難しいと思うんです。
以前から使っていた家具に合わせて家を設計する事も可能ですが、どうしても新しい家のデザインに制約ができてしまいます。
今回の場合は、キッチンや洗面台などの棚は作ってしまった方がいいと判断しました。
オーナー様
家具は、使い勝手がよくて、目立ちすぎない・・・毎日の生活で使われるものですので、 実用性があって、したてがきちんとしたものを使っていきたいと思っていました。
今回作っていただいた家具は、どれも心地いい使い心地でとても気に入っています。
坂井
先ほどのお母様の話にも通じるんですが、家具が入ることを想定して設計していますので、不自然な家具のでっぱりがないんですよね。建築屋としては、事前にどのような家具を使うかイメージを持っていらっしゃると設計しやすい です。

Sさんは、内装にもこだわりを持ってらっしゃいましたよね。
ドア
素材感を残しながらアクセントに
オーナー様
どうも木の質感が強すぎるウディーウッディーしてしまうのが嫌いで・・・
かといって、無機質な家も落ち着かないかな・・・と。
坂井
そこで、内壁の素材は、南九州地方で取れるシラス火山灰を使用しました。これは軽石のとても小さなもので、中に空気を含む形状になっています。これによって温度の調節や臭いの吸着までしてくれるんですよ。

床はコルクタイルという素材を使用しました。これは柔らかな質感が得られるんです。遮音効果・吸音効果もあるので選びました。
実は、このコルクタイルは自然にも優しいんですよ。
素材は樫の表面だけですから、10年くらいで採取した部分も再生します。
オーナー様
シンプルな質感を希望していたので希望していたので、満足しています。
あと、家の犬も気に入っているみたいで(笑)
坂井
そうですね。どうしても普通のフローリングだと犬が滑ってしまいますからね。
コルクなら多少は大丈夫ですよ。

今回の扉はオスモカラーという自然素材の塗料の二重塗で仕上げました。 この塗料は、実は舐めても大丈夫なんですよ。 落ち着いた緑と赤の着色です、程よく木の質感が出ています。
オーナー様
あざやかなポイントになっていいですよね。
坂井
はい。数年たつと、下地の木が少しずつ焼けてきて、落ち着いた色に変わっていきます。
リビング
オーナー様
楽しみですね。
坂井
外壁も、火山灰の塗り壁にしました。
実は、かき落としという手法をつかっています。
一度塗ってから、職人さん7~8人で手で落としていったんですよ。
オーナー様
手間をかけて頂いたんですね。
坂井
又、断熱効果や遮音効果も高いと思うのですがどうですか。
オーナー様
どうりで、前の家より雨音など外の音が気になりませんね。外回りの壁も冷たく感じないのもその効果のおかげかもしれませんね。

今回、家を建てるにあたって計画段階から長く時間を取っていただきましたので、 希望通りの家を建てることができました。
坂井
私たちのコンセプトとして、「施主様の要望や暮らしぶりを徹底的に理解し家を作ります。」と言う事を 挙げています。
家は、建ててから30年、40年と使っていくものですから、とても責任がある仕事です。住む人が楽しく幸せに暮らせる家を作るためには、施主様とのいい人間関係を築いていくしかないと考えています。
時には、施主様の要望にも「NO」と言えるような関係になりたいと思っています。
オーナー様
社長からいろいろご提案頂いて、とても満足できる家に仕上げていただきました。
ありがとうございます。
坂井
こちらこそ、ありがとうございました。
私たちも自信を持てる家が建てられました。
今日は、貴重なお時間をありがとうございました。

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